袴をゲットしました〜2024-12-28 17:02:54

ちょっとまた尺八の話なのですが、今年の5月に初めて尺八の発表会に出て、2曲演奏しました。1曲目は箏の伴奏でしたが、もう一曲は尺八全員の合奏でした。

何しろ人生初の体験だったので、緊張しましたが、師匠からなるべく和服で出てくれと言われたので、数年前に何故か興味があって買った着物姿で演奏したのです。

着物を着たのも人生初で、自分で着れないので、師匠に着付けて貰いました。ただ、袴もましてや紋付も持っていないので、着流し姿での演奏でした。師匠は勿論紋付袴姿でしたし、もうお一人、セミプロと言って良い師匠の門下生も紋付袴姿でした。そして、そのほかの人たちは普通の洋装だったのです。僕は何しろ師匠から和服を勧められたので、素直に和服で出たものの、着流し姿で、後で自分の写真を見たらなんだかちょっとだらしないんじゃないかと感じました。

そんな訳で、次回尺八の発表会に出るとしたら着流しはやめて、せめて袴を穿こうと思っていたのです。

11月に師匠から来年の発表会の話を伺って、これはそろそろ袴を用意しないといけないんじゃないかと思い立ち、オーダーの袴を注文しました。そして、この年末の今日届いたのがこれです。

再来年は紋付にしようと思っていたので、色はこのグレーぽい色にしました。まだ自分じゃ着ることができないのが最大の難点ですが、近いうちに着付け教室に行って、着物を自分で着られる様にしようと思っています。

来年の課題曲が何になるかもまだ分かりませんが、来年はこの袴を履いて、せめて着流しのちょっとだらしない格好ではなく、演奏しようと思っています。

この週末から年末年始の休みに入りました。このお休みの間に尺八の練習をたっぷりしようかと思っています。自分が袴を穿いて演奏している姿を想像しながら。

そして、フルートの発表会にもこの着物と袴で演奏したら、どんな感じになるかな、なんて考えています。なんだか想像が広がるばかりです。フルートの発表会は真夏なので、ちょっとこれでは無理ですけどね。

西洋文化への憧憬と日本文化への回帰2024-12-31 10:34:23

今日は大晦日。2024年もあと残すところ数時間になってしまいました。

思い返すと、今年は初の尺八発表会に、人生2度目のフルート発表会と、年初から音楽にかなりの意識が向いていました。でも、世界情勢や自然災害と気掛かりなこともたくさんあって、必ずしも良い一年ではなかった様な感じがします。迎える2025年は良いとしになるといいなと心から思いますが、まだまだ気掛かりなことが世界では沢山起こっているので、どうしてもそっちの方にも目が向いてしまいます。

ところで、今回のお題ですが、ちょっと最近思っていることがあって、それについて個人的な思いを綴ってみようと思います。

若かりしころは、海外に憧れ、特に欧米というか僕の場合は欧州の文化が好きでした。その背景には、子供の頃に出会ったチャイコフスキーのピアノコンチェルトのLPを聴いたことの影響が少なからずあったと思います。旧ソ連のピアニスト、エミール・ギレリスの弾くチャイコフスキーがとても子供心に耳に残って、それ以来音楽はクラシック系に傾くようになりました。

そして、成長するに伴い、欧州の文化は素晴らしいなと思う様になり、欧州に憧れのような、でもちょっと近寄りがたさという様な気持ちを抱いていました。その一方で日本文化はカッコ悪いなとか、ダサいなとか感じていたように思います。高校生になる頃には、すっかりクラシックの、特にピアノとフルートにハマり、頻繁にLPレコードを買っては聴いていました。今年亡くなられたマウリツィオ・ポリーニは大好きなピアニストでした。

その後、偶然にも欧州生活をする様になり、ますます欧州の生活に慣れるに従い、その文化に音楽だけでなく、絵画の世界にもハマり、休みの日には色々な美術館に行っては古典や近代の作品を鑑賞して、満足していました。

でも、一方でそんな自分に何か違和感を感じ出したのもその頃でした。住んでいたオランダのその街は大好きだったし、気軽にパリや大好きなスペインに行かれる生活にも大満足だったものの、彼らの文化を見るにつけ、自分は日本人であることを意識するようになったのです。

そして、日本に帰国後、何か自分が生きてきた証を残したいと思うようになり、始めた書道でしたが、何年か続け数点の作品を掛け軸にしたり額に入れたりして残すことが出来るようになりました。

この頃から、ますます自分のルーツである日本と言う国とこの国の文化に関心を深め、コロナのせいで在宅勤務になった事で、たまたま出会った尺八とその師匠と尺八の練習を始めるようになり、今ではすっかり尺八にハマってしまっています。

ただ面白いことに、高校時代に密かに練習していたフルートに対する思いも回帰してきて、半世紀近くも眠っていたフルートを引っ張り出して吹き始めたのは、尺八との出会いがきっかけでした。

尺八は尺八で素晴らしいと思うと共に、西洋楽器のフルートの魅力にも取り憑かれ、今や二兎を追う日々を送っていますが、これが実に自分の人生に彩を与えてくれていて、仕事のことやら、世情やら、世界情勢やらをひとまず忘れて楽しむことが出来ています。

2025年も変わらずこの2つの楽器に夢中になっていられることを望みたいと思いながら、大晦日の1日を過ごしています。

来年は、災害等起こらない良いとしになると良いですね。そして、もう2度と会うことがなくなった、あの頃大切に思っていた人の健康と幸せも陰ながら祈りつつ、また新しい年を頑張って生きていこうと思います。