ぴーすけ君とそらちゃんとぴのこちゃん 122023-03-22 15:16:58

ある暖かい午後でした。そらちゃんはいつもよく日があたる窓際にカゴを置いて、その中でうるさい様におしゃべりをしていました。

ちょっと暖かいので、ぴーすけ君はウトウトとお昼寝モードになっていたのですが、すると突然、そらちゃんがけたたましく騒ぎ始めました。

びっくりして、ぴーすけ君も目をさましたのですが、すると窓の外から一匹の猫がそらちゃんをジーっと見つめていました。

近所にいる野良猫さんでした。

そらちゃんは今まで猫に出会った事がなかったので本能的にビックリしたのでしょう。そして何らかの恐怖の様なものを感じたのかも知れません。

一方の野良猫さんは、何かおしゃべりと言うか、鳥の鳴き声と言うか、そんなものを耳にして、もしかして餌になるものがいるのかと思ってやって来たのかも知れません。

すると案の定、窓の内側に小さな青い鳥を見つけたと言う事だったのでしょう。そして、ジーっとその鳥を見つめて、隙を窺っていたのかも知れません。

暖かかったので、窓は開いていましたが、網戸になっていました。もしもその猫が突撃して来ても、網戸にぶつかって、窓の下に落ちる所だったのですが、そらちゃんからしたら、何だか天敵と思われる猫に狙われている恐怖を感じたのだと思います。

そらちゃんが大騒ぎしたおかげで、ぴーすけ君が気がつき、その野良猫を追い払いました。

流石の野良猫も子供とは言え、人間から手を出されたら危ないと本能的に知っているのだと思います。まして、野良猫さん達は人間にとても警戒心を持っています。

そらちゃんは、得意の「びっくりした」を叫ぶことも出来ず、ただ大騒ぎをしただけでしたが、良かったですね、何もなくて。

それから暫くして、そらちゃんはやっと落ち着いたのか、「そらちゃん、びっくりした」を連発していましたよ。

そして、「何?そらちゃん。」、「何?そらちゃん」と何度も言っていました。

ところで、一方の野良猫さんはどうしたでしょう?ぴーすけ君に脅されて、一目散に庭を走って逃げて行きましたが、野良猫さん達は一体どうやって生きているのでしょうね?食べ物はどうしているのでしょう?

数日後、その野良猫さんが道路を歩いて行きました。

可哀想に、野良猫さん達もこの世に生まれて一生懸命に生きているんですね。たまたま野良に生まれてしまって、苦労しているだけですが、ぴーすけ君にそんな野良猫の生活が理解できると良いのですけど。

でも、実はぴーすけ君は大の猫好きでもあるのです。だからきっと猫の気持ちも分かっているのかも知れませんね。